2021/08/21
欧州や米国では既に義務化されていたHACCPという衛生管理システムは、日本においてはその浸透が遅れていました。そのため、諸外国に合わせるように2021年の6月に日本でもHACCPが義務化されました。このシステムは、各食品事業者が独自にHACCPシステムを構築するとともに、食品衛生法に基づき各自治体の保健所が、各食品工場や飲食店を指導を行うことになります。では、このHACCPシステムというシステムはどういうものなのでしょうか。
もともとこの衛生管理システムは、アメリカのNASAが考案したシステムです。宇宙飛行士が宇宙に行った時に、食事で食中毒や異物混入などの食品事故を絶対に起こさないように、食品製造時に安全な製品を製造することを担保するために作られたシステムです。例えば、もともと生肉が原料であれば、その生肉にもともといた食中毒を引き起こす細菌を完全に死滅させるための製造工程を設計したり、金属による異物混入を防ぐために金属探知機を製造工程に導入し、その管理を徹底するなどです。従来の日本の衛生管理の考え方は、製造された製品の一部をサンプリングして、そのサンプリング品を検査することでその安全性を担保していました。
しかし、この手法では製品全体の安全性を担保できないため、問題がありました。しかし、HACCPによる衛生管理システムは、製品のLot全体の安全性を担保することができるため、より衛生管理レベルが向上されることが期待されます。
